4月25日に落札し、GW中に整備しようと思っていたが、個人売買などのバイクの輸送はロットがたまるまで運送業者預かりになることや、私が金沢から週末に京都に帰るのに合わせて受け取る必要があるという事情があり、結局この日となった。約1ヶ月待ち焦がれていた日がやってきた。
自宅に到着したラビット。隣のTL125もなかなか魅力的なバイクだな笑。
パソコンの画面で見るより、やっぱり実物は相当古い。錆も思った以上。昭和43年製なのだから、逆にむしろこれくらいで保管されていることの方が奇跡かも。
早速サイドカバーを外して内部を点検してみる。
これは左側の電装部品とキックスターター。錆びているなー。
バッテリーは欠品。既に、新品を購入して準備万端である。
ホイールは前後ともボルトナットも含めて上から白塗装されている。錆止めのつもりだったのかな。あまりセンス良くない。
タイヤはまた古いものが。既にひび割れて使用には耐えない。事前にそう聞いていたので既に新品を入手済。
可愛いスピードメーター。こういう部品が鉄、というのもなんともレトロ。今では考えられない。
右側。駆動系と燃料系が露わになる。
んーーー錆てる!笑 こういうのを見ると俄然やる気が出てくる私は変態か。
各部を操作してみると、アクセルはケーブル内の抵抗が大きくて戻しスプリングが機能していない。
リアブレーキ、クラッチと変速ケーブルは油が完全に切れていてカサカサ状態だけど動作には問題なさそう。いずれ給油しておかねば。
ブレーキペダル。ちょっと動かしてみたけど制動能力は問題ない。固着もしていない。フロントも同様。
変速ギヤボックスのオイルを点検したら、それほど汚れていないオイルがきちんと入っていた。
このバイク、平成27年に廃車となりその後は平成28年に動かしてから不動の状態だったとのこと。ブランクは5~6年ほどあるが、各部の点検をすると、それまでは動いていたということに納得がいく。不動状態が長い場合、動作するところが固着していることが多いが、このバイクに関してはそういうところは見受けられなかった。
5から6年間不動、ということはキャブは掃除が必須。
見ての通りちょっと汚い。もっと酷いキャブもあるので、まだマシかもしれないが。
外から見えない部分に付着していた汚れ。まあこの程度なら軽傷かも。
ポートも綺麗なもん。錆びて白い粉とか吹き出していたりジェット類の緑青がわいていたりということはない。
さて、早速キャブを分解。4mmのセムスネジ。プラスのネジ頭がつぶれかけているものが殆どだったので、慎重に緩める。この時代のバイクの5mm以下のネジは旧JIS規格なので今普通に流通しているISOネジよりピッチがわずかながら大きい。私の手元には課おきのJISネジはないし近くのホームセンターにはこういうビスは打っていないので、大事に扱わないと。
キャブのボディーはヤマルーブ洗浄液にどぶ漬け。この液体、とても洗浄力が高くて重宝する。
さて本体を洗っている間に、ガスケットを切り出す。800円くらいでリプロ製品が売られているが、自作してみる。
ジェット類はことごとく洗浄気吹きして貫通していることを確認した後に、組上げた。
2ストオイルをガソリンに20:1の比率で混合し、外部タンクからキャブに直接送り込む。
そして、セルスイッチを押すと・・・、さてエンジンは無事目を覚ましてくれるかどうか?!
おーーーー、いいじゃないですか、この吸気音。
チョークを戻すとエンジンが止ってしまうので、ちょっと調整が必要だけど、ちゃんとエンジンが回転しアクセルに対応して回転数も上昇することが確認できたので大満足。白煙多めなので、いずれマフラーのカーボン落としなどもする必要があるだろう。
とりあえず、受け取ったその日に起動成功したことはなんとも喜ばしい。
不動車が息を吹き返す瞬間というのは、ほんと感動ものである。
バイクのシート下のボックスに入れられていた車載工具。
古いバイクの車載工具は紛失していることが多いが、ガレージで見つかったらしく、プレゼントされた。
中身の多くは他車の工具だけど、袋とスパナ1本、そしてプラグレンチはラビット純正工具だ。びっくり。
これは相当貴重品だと思う。大事にしないとな。