だましだまし直して使ってきたシート。生地が裂けて補修したら、また別のところが裂けてくる。これを幾度となく繰り返し、今やこんな補修の痕跡だらけの無残な状態になった。もはや見るに堪えないので、思い切って再生することにした。
新品の安いシングルシートもあるけど、このCB50ベースのシートは大きさや見栄えが良いし、そのカウルに合わせてバッテリーも据え付けたので、出来ればそのまま使いたい。
ヤフオクで調達したときに既に錆には侵されていて、嫌な予感はしていたのだが、分解してみると思った以上に状態は酷い。
はっきり言って、ボロボロである。
シートベースは朽ち果てている。バイクは左側に傾けて停車させるので、水分は左側に偏ってくるのだろう。シートベースの左側は朽ち果てている。
我が家のサンドブラストマシンでは錆を取るのは大変そうだし、錆でサンドが汚れそうなので、サンポール攻撃することにした。これサンポール1本を水で薄めたもの。これにシートベースを浸け、1晩寝かしておいた。
翌日、真鍮ブラシでこすると錆は見事に取れていた。さすがサンポール。早速大量の水で洗い、マジックリンで中和させる。この中和作業をしないと、サンポールの酸で錆が再発して再びボロボロになるので。
そして、その後に花咲かGのタンククリーナーの浸け、また一晩寝かし、全体にリン酸皮膜をまとわせて作業完了。
ところどころ錆らしき色が見えるのは、シートの接着剤らしきもの。錆が取れたのはいいのだが、それによっていくつも新たな穴もできてしまった。錆ごと溶けてしまったのだろう。さて、どうやって修復するか笑。薄い鉄板を仕入れて、板金ハンダでえっちらおっちら直すしか無いな。シートを引っかける爪も製作しないと、1/3くらいは腐食して外れてしまっているし。
前にKH90のシートを直してもらったときの記録を参考に、素人作業ではあるがシート再生に挑みたい。
0.5mmの鋼板をMonotaROで入手し、板金ハンダで欠損部分を補っていく。
ガストーチで炙り、ハンダを流して接合していく。
温度が低いとハンダが溶け込まないし、高すぎてもハンダがはじかれる。
いろいろ失敗しながらもなんとか欠損部分を補うことが出来た。
ハンダ付けの際にはフラックス大量に使う。フラックスは酸性の液体なので流水tとブラシで綺麗に洗い流しておく。
一部は金網で補修し後からパテで表面を形成することにする。
とりあえず、板金は完了。まだあちこち穴があいているけど、致命的な欠損部分は修繕できた。
シート生地を固定するためのツメを製作する。
このようなステーをハサミで切り刻み、シートベースにハンダ付けしていく。
完成の図。元々はシートベースからツメがでていたのだが、腐食して外れてしまってるところに、一つ一つツメを半田付けしていく。
最後は一部残っている錆を完全に封じるため、錆転換剤を含有しているプライマーで全体を塗装していく。
まだまだグロテスクな様相だけど、錆びた状態のことを思うと、これでも相当品質はアップしている。
amazonで2000円弱のシート生地を入手。厚さが0.8mmで伸縮性が良いとの売り込みだ。
シート張り替えは専門業者に依頼しようと思っていたが、ユーチューブを見てみるといろんなひとがDIYで実践してる。ならばわたしも!ということで挑戦。
まずはシート生地をシートベースに広げる。購入した生地の半分くらいの大きさだ。よって仕入れ価格約980円。
まずは前後位置を固定し、つぎに左右を固定する。
全体にシート生地の伸びが行き渡るように慎重に張り替えていく。
シートベースには剣山のような突起があり、それにシート生地を引っかけていく。
角の丸みを帯びているところは、一気に片付けようと思わずに、根気よく全体伸びとのバランスを考えながらすると良い感じとなる。でも、一部どうしても取れない皺というものができてしまったが。
完成。
2時間くらいかけただろうか。
これで破れを気にせずにライディングできるようになった。ストレス解消だ!