カバーを取り外そうとすると、この4mmのビスが固着していて、こじっていたら折れてしまった。なんと。これまで古いバイクをいじってきたが幸いネジを折るという経験はほぼ無かったので、遅まきながらの体験。さすが鉄スクーター。これはあちこちでネジが錆び付いている予感。折れ込んだ中央部に穴開けてエキストラクターで外すか、強引にタップ立て直すか。とりあえず後回し。
いろんな部品を外して、なんとかタンクを摘出。そして逆さまにすると出てくる出てくる、錆やガソリンのなれの果てが。凄いことになっている。プラハンマーで叩きながら振ると、面白いようにまた出てくる。これは痛快だ笑。
とりあえず大きなものはで終わったので作業はやめにしたが、まあそれにしても大量のゴミ。なんかゴムチューブみたいなものもある。なんだろ、これ。全て乾いているので、おそらく相当な期間放置され、錆が発生したのとガソリンの揮発成分が完全に飛んでしまい、ガム質が固まり固体になったものと思われる。最後にエンジンを掛けたのが平成27年、と前オーナーが言っていたが、その時は燃料供給をガソリンタンク経由ではなく、外部タンクから行ったのではないかと推察される。
まずは、ヤマルーブのキャブクリーナーで内部洗浄を試みる。
シェイク、放置、シェイク、を繰り返ししばらくしてから受け皿に戻して容器に戻した後に残った汚泥。結構な量だ。ヤマルーブってやはり強力。
シェイクしていたときに、2カ所から漏れ発見。左側の当該部分の塗装を剥がしてみると、小さな穴が開いている。そこに半田を流し込むためにポンチで凹まそうとすると・・・
ハンマー使う前に既にブスッとはまってしまった。肉厚が相当薄い。元々かなりの薄板で製作されているとは聞いていたのだが、それが錆びたのだからさもありなん。とすると、他の部分も腐食して更に薄くなっているかも。そういえば、プラハンで叩いていたときに妙に音が鈍くなるところがあったような。
穴は2カ所。板金ハンダで塞いでおく。これくらいの修理は慣れたものだ。
その後、マジックリン原液を試してみる。しばらく放置するとガソリン色に染まり、まだまだ内部に汚れがこびりついている感じ。そこで今度は花咲Gのマルチクリーナーを投入。結果は同じ。もう少し強力に洗浄しないと行けないか。
ユーチューブでサンエスがこういう汚れ落としに効果的というのを見たことを思い出し、ガレージのどこかにあったような、と探して見つけたのがこれ。サンエスではなかったが、まあ同じような類いのもだろう。これを60℃くらいのお湯で溶かし、タンクに注ぎ込む。半日くらいシェイクも組み合わせ、放置プレー。気温が高いのでこういう作業にはうってつけ。
そして排出すると、良い感じに汚れが取れた。タンク内部を確認すると、ガソリン臭が相当軽減されている感じ。中から出てくる錆や異物のつぶつぶも相当減ったので、汚れ落としはここまでで大丈夫だろうと判断し、次の工程、いよいよ錆落としへ。花咲かGもどきのMonotaROタンククリーナー、CB125JXのタンク錆落としで使ったお古とはいってもまだまだ新しいものを投入し、一日放置。
結果はこれ。まだ白濁だった液体が、このように黒く変色。錆が取れた証拠である。
保存容器に液体を戻して底に残ったものは、これくらい。小さい錆粒。ここに至るまでに内部に溜まった大きなものは取り除いていたからこれくらいで済んだと思う。表面に固着していた錆が取れ、その破片がこれ、ということではなかろうか。
そしてタンク内部を点検すると、底の周辺がまだ錆びているものの、それ以外はほとんど錆が取れていて鉄板の表面が顔を出している。まあまあの出来具合。もう少し底の錆を取っておきたいのだが、本日は13日の日曜日。放置して金沢に戻ってしまうと、CBのタンクの時のように穴が貫通してダダ漏れになってしまうかもしれないので、今回は一旦ここで中断。また今週末に京都に帰ってくるので再度花咲かGを投入することにする。
とても分かりづらいが、タンクキャップから内部をのぞき込んだところ。相当錆は除去されているが、底の燃料コックのところにまだ根深い錆が残っている。花咲かGではちょっと時間がかかりそう。そこでちょっと強力な武器を使うことにした。
kureの錆取り剤。これ、かなり強力。サンポールは錆取りに関しては超強力でコテコテの錆もイチコロだがマジックリンでの中和が必要だし、それに失敗すると錆の再発が不可避。花咲かGはマイルドだけど錆取りにそれなりの時間がかかる。中和が要らず、時間がかからない、という両者の良いところ取りのような錆取り剤が、このkureラストリムーバー。一本千円もしないのでコスパは最強である。話はそれるが、これはユニクロメッキを溶かすので、ユニクロ部品の再メッキの場合の前処理として使うととても有効。
さて、これを原液のままタンクに投入する。そして1~2時間。直射日光に当てて温めながら錆取り効果を高める。
そしてその成果は・・・ベリーグッドである。タンク底の錆は完全に除去された。見える範囲では錆がない。連結パイプでつながったもう片方のタンクの底は見えないのだけが。
そして、タンククリーナーのリンス液を投入し、シェイクして天日干し。
幸い、錆とり中にピンホール貫通が続発して漏れ再発、ということに至らずここまで来れて良かった。これでタンクの錆取りは完了だ。